2012年4月3日火曜日

ウクライナ滞在記 2日目

翌朝、目を覚ますと本当に部屋から見るドニプル川の景色は最高だった。

長旅の疲れを癒してくれる美しい景色に興奮してウクライナに来たことを喜ばしく思った。


雪がちらつく天気だったが、ホテルの中はほどよい温度に保たれていた。

一泊一万円もするホテルだが日本ならもうワンランク高い部屋に泊まれただろう。

ただ、景色にはお金を払ってもいいな、と思って金銭的なことはどっかにとんでいきました。

すると、部屋の電話が鳴った。オルガからでした。

「今から出かけましょう。でもすぐに学校に行かないと行けないから、

町を少し見学するだけね。」と、いわれた。


オルガはホテルの近くまで向かえにきてくれた。

待ち合わせ場所までは歩いていける距離でそこからはバスで移動。

ロシア語しか書かれていないバスは一人では到底乗れないだろう。

ウクライナのバスは日本とは違いなんだか激しい。

運転はちょっと荒いし、降りるときはお金を前の人に払い人づてに運転手に渡すというシステム。

日本の自動の機会で払うシステムとはまったく違っていた。

しかしそのシステムは人と繋がるという意味では素晴らしいように思えた。

バスを降りたらまずはオルガとお昼ご飯。キエフの中心地にあるカフェで二人でランチを取った。



ウクライナ料理を注文し、食べ終わりドリンクを飲んで話していた。

ウクライナでは相当 日本人が珍しいらしい。

町の人も私の顔を見ると全員が振り返って私をみてきた。

そんな経験は日本ではないからちょっと有名人になった気分でもあった。

彼女は相当、この日本人をおかしな人だと思っていただろう。

ご飯を食べると、彼女は学校があるからと、私を一人にした。

彼女はタクシーでホテルまで帰りなさいと勧めてきた。

また、観光をした気分でなかった私はキエフ市内を歩きたかったので

「少しこのあたりを歩いてみるよ」とキエフ市内を歩きまわることにした。

彼女を言うことを聞いておけばよかったと後々後悔するとは

この時は思いもよらなかった。

彼女と別れた私はキエフの中心地のデパートが並ぶ場所に行った。

その途中、おかしな男に逢った。

目の前で歩いていた男が突然、ポリ袋に入った札束を拾った。

およそ1000ドル入った袋だった。

その男はひどく喜んだ様子で

「WOW!GOD!」などと叫んでいたが私は無視をして歩いていた。

すると、その男が

「お金を分けよう」

と私に持ちかけてきた。

そんなうまい話があるわけないと無視していたが

話相手もいなかった私はすこし話だけしようと思った。

それが間違いだった。


その男と話をしていたら、ブルブル震えた体の弱そうな男がやってきて

「私はお金を落とした。お前たち知らないか?」

と聞いてきた。

拾った男はとっさにお金を隠し、

「俺は知らない。」と、とぼけて見せた。

落とした男は私も疑ってきてが、まず拾った男のポケットを探り始めた。

お金は見つからず、次は私のポケットも探り始めた。

ポケットに何もなかったので

その男は財布を見せろと言ってきた。

しぶしぶ、財布を男に見せたが、そのとき、私のお金を一瞬手に取った。

中身は60000ドルほど入っていたかと思う。

「おい!返せ!」と私は落とした男に言った。

落とした男はお金を私の財布に戻した。

その後、もう一度落とした男は拾った男のポケットを探り、

10万ドルを見つけ、拾った男は足早に逃げていった。

私は落とした男に

「気をつけろよ」

と言ってその場を去った。

気をつけなければいけなかったのは私のほうだったのに。


その後、私はデパートに行き高級そうなカフェでカプチーノを飲んで、

そこからホテルへ何とか帰った。

ホテルのそばの売店でパン・ワインを買い、部屋でくつろごうと、ホテルに着いた。

ウクライナの人は全員、私に対して愛想が悪かったが

一人だけやたらと愛想のいいボーイがホテルにいた。

彼にはチップを上げようとしたが

「そんなことはしなくていいですよ」

と彼は言ってきた。

この旅で唯一、私に対して好印象なウクライナ人であった。



部屋に帰った私は財布にあといくら残っているか確認してみた。

!!!

なんと、財布の中身には1ドル札、10ドル札などしか残ってなく

高額紙幣、100ドル札が全てなくなっていた。

私はそこで始めてさっきのお金を落とした男が実は二人組みで

全て芝居だったと理解した。

いつ、抜いたのか。

おそらく一瞬だけ財布のお金を手に取った瞬間だろう。

私の目の前で抜いたのに私はまったく気が付かなかった。

まるで手品を見ていたかのようだった。

しかもあの一瞬で100ドル札だけ抜くなんて。信じられなかった。

この旅を最悪の旅にした、出来事だった。

私は落胆したがまあ、60000ドルの手品を見せてもらったと納得するしかなかった。

私自身の不注意が原因だし、いい勉強をさせてもらった。

2日目にしてなかなか眠れない夜を経験させてもらえるなんて。

この旅はただの旅行じゃなく、人間的に成長させる旅。

本当にいい経験になった。

二人のおそらくポーランド人の男の顔を思い浮かべながら私は眠った。

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